Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
Lesen Sie 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.458 Zeichen · 363 Bildschirme
劉ははっと思うと同時に、それが走屍というものであることを直ぐに覚った。
走屍は人を追うと伝えられている。自分が逃げれば、死骸もまた追って来るに相違ない。いっそじっとしていて、早く画をかいてしまう方がいいと覚悟をきめて、劉は身動きもしないで相手の顔を見つめていると、死骸も動かずに劉を見つめている。
その人相をよく見とどけて、劉は紙をひろげて筆を動かし始めると、死骸もおなじように臂を動かし、指を働かせている。劉は一生懸命に筆を動かしながら、時どきに大きい声で人を呼んだが、誰も返事をする者がない。鬼気はいよいよ人に逼って、劉の筆のさきも顫えて来た。
そのうちに忰の帰って来たらしい足音がきこえたので、やれ嬉しやと思っていると、果たして忰は二階へあがって来たが、父の死骸がこの体であるのを見て、あっと叫んで仆れてしまった。その声を聞きつけて、隣りの人は二階からのぞいたが、これも驚いて梯子からころげ落ちた。
こういう始末であるから、劉はますます窮した。それでも逃げることは出来ない。逃げれば追いかけて来て掴み付かれる虞れがあるので、我慢に我慢して描きつづけていると、そこへ棺桶屋が棺を運び込んで来たので、劉はすぐに声をかけた。