Japanische Klassiker mit Furigana
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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第一巻 (あかくら) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.056 Zeichen · 223 Bildschirme
海苔巻をとると僕も海苔巻をとったのだそうだ。最後に先生が卵焼を残されたら僕も何思わず卵焼を残したのだ。それで先生が「君は卵焼が嫌いかね」と聞かれたのでまた思わず「いいえ」といったのだ。「それじゃなぜ食わぬのか」といわれて、「先生が食べられないから」と返答したという話なのだ。僕は何も気が付かなかったがね。これも何か小説の材料にされるつもりだったのだろうが。あれは到頭出なかったらしい。
君なんか若い人達は夏目先生のものの中でどれが一番面白いかな。僕なんか『猫』や『草枕』のような初期のものの方が好きだ。あの頃の先生は書くのがとても楽しみだったらしいが、晩年になられてからは、もう小説を書くのが厭で耐らなかったように思われた。僕には何といっても楽しみに書いたものが一番性に合うようだ。
先生の小説といえば、漱石全集は実に奇蹟だね。初版の時が○千部位、第二回の時がその倍で×千部、今度は震災の後で僕らは少し冒険だと思っていた位だが、流石Iの親爺は偉いね。「何、大丈夫です」といって済ましていたが一万○千とか出たそうだね、実際大したものだ。印税だけでも大変だろうな、あれは漱石庵を作る維持費にするつもりで御弟子達で計企したのだが、郊外移転の話は土地会社の宣伝に使われるおそれがあるので、結局当分今の家を維持することになった。