Japanische Klassiker mit Furigana
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『ケプロン・くろだのこうそう』について
中谷宇吉郎集 第八巻
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第八巻 (『ケプロン・くろだのこうそう』について) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.890 Zeichen · 178 Bildschirme
そして、今日の吉田さんは、さぞ淋しい気持だろう、という挨拶をした。何だか、ひどく話が身に沁みて、結婚の祝詞か、お通夜のお悔みか分らなくなったが、それでも、誰も文句は言わなかった。
それで愈々、三度目にうちの娘の番になった。ところがこれが一番変っていて、アメリカで自分で亭主を見附けて、さっさと結婚をしてしまったのである。そしてこの六月に、二人で新婚旅行に日本へやってきて、三週間いて、またさっさとアメリカへ行ってしまった。あれよあれよという間に、全部片附いてしまったわけである。
もっとも、亭主になった男は、物理をやっていて、私が在米中、二夏助手として働いたことがあり、昨年の夏ちょっと補足実験をやるためにまたアメリカへ行った時も、手伝ってくれたので、前からよく知っていた学生である。ノルウェイ系の三世で、愛称はトムという。
最初に話が出た時に、私たちも賛成した理由の一ツは、トムが六尺一寸ある点であった。娘が五尺五寸何分とかあるので、ハイヒールをはくと、五尺七寸になる。下手な結婚をすると、一生サンダルを履いて暮さねばならない。話が決まってから、娘が寄こした手紙の一節に、「これで私もハイヒールが履けます」