Japanische Klassiker mit Furigana
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『ケプロン・くろだのこうそう』について
中谷宇吉郎集 第八巻
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第八巻 (『ケプロン・くろだのこうそう』について) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.890 Zeichen · 178 Bildschirme
ところが、トムがウィスコンシン大学で修士課程をやっていたので、娘は出来れば、同じ大学へ行きたがった。いい案配に、そこに研究助手の口があって、それをつとめながら、修士課程をおさめることにした。アメリカの大学は九ヶ月制で、それで千五百ドル貰えたので、もう親爺からの補助は要らなくなった。「ながなが脛をかじらせて戴きました。これからは、珈琲くらいは送ってあげます」という絶縁状を寄こした。
一年間、同じ大学で勉強していたが、トムはマーチン会社に気に入った口があったので、結婚してそっちへ行くことに、二人で話を決めた。頭は咲子の方が少しよいかもしれないが、トムは誠実な青年だ。物理学の方も、中の上くらいは出来る。丁度よかろうということに、こっちはすぐ賛成したが、向うの親がなかなか承知しなかったらしい。一人息子でひどく大事にしていたので、日本人と結婚するなんて、とんでもない、ということだったのであろう。私の助手をしていた頃も、毎日ブリキの弁当箱に、サンドウィッチと、魔法瓶入りの珈琲と、果物と菓子とを入れたものを持ってきたが、どれも二人前くらいはいっているので、トムは閉口していた。