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Japanische Klassiker mit Furigana

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『ケプロン・くろだのこうそう』について

中谷宇吉郎集 第八巻

中谷 宇吉郎

Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第八巻 (『ケプロン・くろだのこうそう』について) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.890 Zeichen · 178 Bildschirme

Aozora Bunko

一生涯職工で通して、ずっと精密機械をつくっていたというが、如何にもそういう感じの老職工である。

毎日十時には、この工場の片隅で、珈琲をわかして、皆でのむことになっている。普通は十分間の珈琲時間であるが、時には少し駄弁ることもある。

今日、この老人が、珈琲のあとに、思いがけない話をし出した。それは、今バチラーの本を読んでいるが、非常に面白いという話なのである。まさか札幌のバチラーさんとは思わなかったので、初めはいい加減に聞き流していたが、そのうちに、アイニュウアイニュウといい出したので、やっとアイヌのバチラーさんと分って、ちょっとびっくりした。

それで「そのバチラーさんなら、僕は少し知っている。私の大学のある街に、ずっと住んでいた。一生アイヌの研究をした人だろう」というと、その通りだといって、向うも非常に喜んでくれた。それから話がはずんで、怪しげな私のアイヌの知識を、大分披露させられた。もっとも熊祭やユーカラの話を英語でやるのだから、多分通じなかったことだろうと思う。

それにしても、こういう老職工が、バチラーの本などに興味をもつというのは、如何にも不思議な話である。