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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

もう四つ半をまわったろう。中央に冴え返る月が、こころもち東へ傾いて、遠街を流す按摩の笛が細く尾を引いて消える。

脚が短いので、ともすれば遅れがちの豆太郎、ベタベタと草履を鳴らして弥生の横へ出た。

「どこイ行くんでげしょう、あいつら?」

「まあ――どうも方角が辰巳だな」

「たつみ? フウッ、乙ですね」

「そうかナ。方角が辰巳だと乙ということになるかな」

「しらばくれちゃアいけませんぜ。失礼ながら殿様なんざア男でせえふるいつきてえぐらいいいごようすだ。ねえ、女の子がうっちゃっちゃアおかねえや。さだめし罪なおはなしがたくさんごわしょう。だんまりで夜道を徒歩うてえなア気がきかねえ。一つ、色懺悔をなさいまし、色懺悔を……豆太郎、謹んでお聞きしますよ、エヘヘヘヘ」

「たわけ! 黙って歩け!」

「へ? するてえとなんですかい、それほどの男ぶりでまだ女を――てエのは、ハテ! 変だな!」

「ナ、何がへんだ?」

弥生の声には、早くも警戒の気が動いている。豆太郎は笑いほごした。

「いえ、なあに、こっちのことで……ただね、ただ殿様にゃア女性のにおいがするから、それでその、あんまり女の子が寄りつかねえんじゃねえかと――はははは、これああっしの勘ですがね」