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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

その、小石さえ数えられる明るい往来のむこうに、細長い影を斜めに倒して、泰軒と栄三郎の並んでゆくのが、小さく、だがハッキリと見える。

そのうしろ姿から眼を離さず小野塚伊織の弥生、同伴の豆太郎を顧みて答えるのだった。

「うむ! 殺すはもとより、どちらにも怪我があってはならぬ。そちのその手裏剣をもって、ほどよくおどかしてくれればよいのじゃ」

豆太郎は、グルリと帯のあいだにさしつらねた十幾つの短剣をなでながら、にやりと笑った。月光がその顔にゆがむ。

「むずかしい御注文ですね。いっそひと思いにやっちまえというんなら骨は折れませんが、傷をつけねえようにおどかせなんて、こいつア少々……」

「そこが豆太郎の手腕ではないか」

いいながらも弥生は、前をゆく二人をみつめているので、そばの豆太郎が、これはいささか曰くがありそうだわい! というように狡そうに首をかしげたのに気がつかなかった。

米沢町から薬研堀へと、先なる両人は肩を並べて歩いてゆく。

月しろと夜露。

あとの、豆太郎と弥生のふたりも、戸をおろした町家の軒下づたいに、見えがくれにつけていくのだが、深夜の無人にすっかり安堵してか、泰軒も栄三郎も一度も振り返らないで、忍びとはいえ、半ば公然なのんきな尾行。