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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

まだ解けたことのない娘島田を傾けて、袖屏風に眼を隠しながら一心に祈る――何とぞどうぞ栄三郎さま、弥生のためにお勝ちなされてくださいますよう!

勝負は時の運とかいう。が、よもや! と思っていると、チ……と竹刀のさきが触れ合う音が断続して、またしいんと水を打ったよう――よほどの大仕合らしい。

と、掛け声、跫音、一合二合と激しく撃ちあう響き!

あれ! 栄三郎様、勝って! 勝って! と弥生が気をつめた刹那、ッ――と倒れるけはいがして、続いて、

「参った! お引きくだされ、参りました」という栄三郎の声、はっとして弥生がのぞくと、竹刀を遠くへ捲き飛ばされた諏訪栄三郎、あろうことか、板の間に両手をついている!

わざとだ! わざと負けたのだ! と心中に叫んだ弥生は、きっと歯を噛んで駈け戻ったが、こみ上げる涙は自分の居間へ帰るまで保たなかった。障子をあけるやいなや、弥生はそこへ哭き伏した。

「わたしを嫌ってわざと負けをお取りになるとは、栄三郎さま、お恨みでございます! おうらみでございます。ああ――わたしは、わたしは」

胸を掻き抱いて狂おしく身をもむたびに、緋鹿子が揺れる。