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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

気にもなったのだろうが、これは栄三郎を恋する娘ごころを思いやって、鉄斎老人が、父として粋をきかしたのだった。

「誰だ? お次は誰だ?」

今まで勝ち抜いて来た森徹馬、道場の真中に竹刀を引っさげて呼ばわっている。いろんな声がする。

「かかれ、かかれ! 休ませては損だ」

「誰か森をひしぐ者はないか――諏訪! 諏訪はどうした? おい、諏訪氏!」

「そうだ、栄三郎はどこにいる!」

やがてこのざわめきのなかに、浅黄刺子の稽古着に黒塗日の丸胴をつけた諏訪栄三郎が、多勢の手で一隅から押し出されると、上座の鉄斎のあから顔がにっこりとして思わず肩肘をはって乗り出した。

と、母家と廊下つづきの戸の隙間に、派手な娘友禅がちらと動いた。

栄三郎は、浅草鳥越に屋敷のある三百俵蔵前取りの御書院番、大久保藤次郎の弟で当年二十八歳、母方の姓をとって早くから諏訪と名乗っている。女にして見たいような美男子だが、底になんとなく凜としたところがあって冒しがたいので、弥生より先に鉄斎老人が惚れてしまった。

ぴたり――相青眼、すっきり爪立った栄三郎の姿に、板戸の引合せから隙見している弥生の顔がぽうっと紅をさした。