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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼしぞう

久生十蘭短篇選

久生 十蘭

Lesen Sie 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.344 Zeichen · 96 Bildschirme

Aozora Bunko

母が死んでから二年目のおなじ月に新しい母がきた。前の母は、どちらかといえば、あまり口数をきかない、とりすました冷い感じのひとだったが、こんどの母は、見るからに豊かな、明るい顔だちのよく笑うひとで、前の母より年をとっているくせに、子供らといっしょになって扇引や貝掩をやり、先にたって蛍を追ったり、草合せのしかたをおしえたり、一日中、にぎやかにしているので、この陰気な邸のなかででも、こんなに面白く暮らせるのかと、呆気にとられるくらいだった。とりわけ敏感な花世には、急に新しい世界がひらけたような思いで、公子が自分を生んだ実の母ではなかったかと、うつらうつらするようなこともあった。

泰文は公子が子供らに馴れすぎるのを面白くなく思っていたが、さすがにそうは言いだしかね、子供らにあたりちらして、わけもなく鞭で打ったりした。泰文の不機嫌の真の原因は、娘たちに相当な嫁資をつけて嫁にやらなければならなくなっていることで、それが頭にうかぶと、むしゃくしゃして、つい苛立ってしまうというわけなのであった。泰文としては、どう考えてもそういう風習と折合をつける気にはならないので、いっそ邸を尼寺にしてしまえとでも思ったのか、葵ノ壺の入口に別に中門をつくり、男と名のつくものは一切奥へ入れぬようにしたが、そういう企てがどれほど浅墓なもの