Japanische Klassiker mit Furigana
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はたちのエチュード
二十歳のエチュード
原口 統三
Lesen Sie 二十歳のエチュード (はたちのエチュード) von 原口 統三 (はらぐちとうぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.578 Zeichen · 125 Bildschirme
一、ばかでも言うこと。皮肉を籠めたつもりで嬉しがるばかもいる。
「原口が死んだって? やっぱり生きてるのがいやになったのさ」
二、厳めしい物知り顔がこう言う。
「これはまさしく人生への敗北である」
三、メカニスム的に語る生理学者。これはなかなか気持ちがいい。
「人の死に方にもいろいろあるが、なかには変わったのもたまには見つかるね、食慾過多で青酸加里を飲んだり、運動神経に狂いを生じて、自分の心臓にナイフの切尖が向いてみたり、恋水病という奇妙な発作で河に飛びこんだり……。
要するに死とは、脳細胞の活動停止によるところの……」
四、「人生に安心を見いだせなかったのだね」
「いや、安心という弱点が充満していることに安心できなかったのだそうだよ」
「ふうむ――どこまで天邪鬼なんだろう!」
五、詩人曰く「原口は人生に最初から失恋して生まれて来たような男だったよ」
*58
彼は僕より年が三つ上だ、というそれだけの理由で、僕に向かってまじめに話ができない。
「先輩」の虚栄心は、「恐るべき後輩」に対して、自己の弱点を守ろうとしながら、こういうお世辞と、皮肉とを浴びせかける。