Japanische Klassiker mit Furigana
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ごかいのまど
五階の窓
小酒井 不木
Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.512 Zeichen · 43 Bildschirme
わたしは爪先で歩いて窓にしのび寄って下を見ますと、西村はぺしゃんこになって倒れて死んでいました。さすがにぎょっとして窓を閉め、ふたたび爪先で歩いて二十七号室に引き返し、ドアに鍵がはまったままになっていたので錠を下ろして鍵を取り、さて考えてみますと、死体が知れた暁には自分が犯人と見なされるに違いないから、これはなんとかしなければならぬと思いました。だいいち、Sビルディングを出るのさえ怖い思いがしました。ところが、ふと足下を見ると古ぼけた草履が一足落ちていましたので、これさいわいと嫌疑を避けるために靴と履き替え、靴とその傍に落ちていた棍棒を拾い上げて靴の紐でくくり、なおそれをしっかりと手拭でもって身体に結わえつけ、とくに鳥打帽を眼深に冠り、しばらくの間外部の様子をうかがって廊下へ出たのですが、その間およそ六、七分はかかったと思います。ところが、家に帰ってみると、意外にも棍棒が違っておりました。薄暗かったために、ついうっかり取り違えてきたのです。で、心配になってなりませんから、翌日わたしは別の変装をして取りに行きました。途中で、凶器凶器としきりに口にしながら前日エレベーターの傍で会った二人の男が、しきりに溝渠の中などを捜していましたので、急に悪戯ごころが起きてあのような貼紙をして家に帰り、どうも身辺が危険に思え