Japanische Klassiker mit Furigana
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ごかいのまど
五階の窓
江戸川 乱歩
Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.189 Zeichen · 21 Bildschirme
「まだ暖い。落ちて間がないのだ。どこからだろう」
死体の真上に五つの窓が重っていた。冬のことで窓は皆密閉されている中に、最上の五階の窓丈けが広く開いて、白いカーテンがヒラヒラと動いていた。
「五階らしいね」
新聞記者はそういいながら、一階の窓の所へよじ上って、外からトントンと叩いて見た。併し、中には燈火もなく、ブラインドが卸され、人の気配がなかった。
「兎も角知らせてやろうじゃないか」
そこで二人はSビルディングの表口へ走った。玄関に入ると、正面にエレベーターの出入口が二つ並んでいる。その前にかけ寄ってあわただしくベルを押していると、一方のエレベーターがスーッと下って来て、鉄の扉がガラガラと開き、中から一人の男が出た。鳥打帽を眼深にかぶり、古ぼけた将校マントに身を包んだ、三十前後の下品な男だ。彼は鉄の箱を飛び出すと、草履の音をペタペタさせて、走る様に表の薄暗に消えた。
「君、電話はないか。大変なんだ。裏通りに人が死んでいるのだ」
記者はエレベーター・ボーイを捉えて叫んだ。
「電話って、ビルディングの事務所は五階にあるのですが」
「じゃ大いそぎで五階だ」
「誰が死んだのです」