Japanische Klassiker mit Furigana
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ごかいのまど
五階の窓
江戸川 乱歩
Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.189 Zeichen · 21 Bildschirme
まあ奴等にしちゃ無理もないさ。明日から路頭に迷うのだ。世迷事も云い度くなる。だが、何が出来るものか。脅かしだよ。こんなことをして涙金をせしめようという、さもしい根性だよ」
「残った連中を煽動して、同盟罷業をやらせようと、盛に説き廻っているということですが」
「それよ。お極りだあな。そこに手抜りがあるものか。こっちには桝本のおやじが抱き込んである。あいつにたんまりくらわせてあるからね。あれの人望で圧えつけりゃ、ナアニ、びくともするこっちゃない。解雇された奴等の脅迫よりは、桝本職工長の眼玉が怖いさ」
「それにしても、此際社長のおからだに万一のことがあっては、それこそ大変ですから、充分御注意が肝要だと思います」
「有難う。だが、僕はこう見えても、まだ職工なんかにやっつけられる程耄碌はしないつもりだ。そんなことより、大分手紙がたまっている。タイピストを呼んで呉れ給え。瀬川だよ。あの子供は感心に速記がうまい」
北川は上目遣いに社長の顔を眺めた。そして、五十親爺の口辺に一寸恥し相な皺のきざまれたのを見ると、一種の満足を感じて、ニヤニヤ笑いながら答えた。
「ハ、承知致しました」