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Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.384 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

とカムポスがじつに意外というような顔。

「俺は、すべてをロイスさんにうち明けにゃならん義務を背負っている。義務であるものに金を取り込むなんて、俺にゃどうしても出来ん。カムポスはつねに草原の風のごとあれ、心に重荷なければ放浪も楽し――と、俺は常日ごろじぶんにいい聴かしてるんだ」

「詫まる」と折竹はサッパリと言って、

「だが、惚れたなら惚れたで、別のことじゃないか。君が、生涯に一人だけ逢うというその女性が、ロイスさんのように、俺にゃ思えるよ」

「くどいね、大将は」カムポスも、辟易してしまって、

「いかにも俺は、あの人が好きだよ。好きで好きで、たまらんというような人だ。これだけ言ったら、大将も気が済んだろう」と、なにかを紛らすように笑うのである。

しかし、事実水棲人とはまったくいるものか? また、カムポスが逢った三上の姿は亡霊か、それとも生態が変って、沼土の底でも生きられるようになったのかと、いつも四六時中往来する疑問は、その二つよりほかになかった。カムポスが、「ロイスさんの執念にもまったく恐れ入ったよ。よくまあ、五日間ぶっ続けに水面ばかり見ていられるもんだ」

「そりゃ、君がみた三上は幽霊じゃないだろう」