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Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

。そうだ、きっと英官辺からの圧迫があったのだろう――と、折竹翻意の理由をこう睨みたい気持が、誰の胸にも疼いていたのであるが……。国際紛争裡におどる快男子折竹の姿は、まだ彼も言わず、作者も秘、秘である。ではこの、大地軸孔とはいかなる魔所であろうか。

北にパミール高原、西南にはヒンズークシ、南東にはカラコルム。おのおの、二万フィート級以上が立ちならぶ大連嶺が落ち合うところが、いわゆる「パミールの管」のアフガニスタン領である。ではここが、なぜ永いあいだ未踏のままであったかというに、それは、「大地軸孔」をかこむ“Kyam”の隘路に、世界にただ一つの速流氷河があるからだ。温霧谷の、魔境の守り、速流氷河。

グリーンランドの北端にあるアカデミー氷河群に、一日四十メートルをながれる韋駄天氷河があるけれど、これはおそらく、その速度の十倍以上であろう。囂々とひびいて摩擦音を轟かせ、地獄の大釜がたぎるような氷擦の熱霧をあげながら、日速四百十九メートルといわれる化物氷河の谷。また、温霧谷という名のわけも、これでお分りだろうと思われる。

「つまりだね」

と、折竹が技術的な説明をはじめる。