Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
と熱したダネックの目を冷ややかにみて言った。
「それで略、前世紀犀が十万年もあとの、洪積層から出た理由も分ります。要するにそこは、人獣ともに害さぬ仏典どおりの世界でしょう。それこそ、つらい現実からのがれる倔強な場所です。私は……そうして理想郷を見つけました」
「では、無躾なようですが連れのご婦人は?」と折竹がたまらなくなったように訊いた。しかし、それは、ケルミッシュが続けて言おうとするものだった。
「ケティ……そうです。あれは、じつに珍しい完全な蒙古型癡呆です。蒙古型癡呆とは、お二人には説明も要りますまいが、遠い、遠い昔入りこんだ蒙古人の血が、ぼつりと、数万年後のいま白人種にでるのをいうのです。彼らは、蒙古人のするとおりの真似をする。胡坐をかく、手掴みで食い、片手で馬を捌く。しかし、智能の程度は小学生をでぬ。とマア、こういったもんです。
でケティは、もとサーカスの支那驢馬乗りでした。そして白痴なもんで虐待をうけていた。すると、その金髪碧眼に蒙古的な顔という、奇妙な対照が僕の目をひいたのです。もともと私は、白人文明の破壊性が心から厭で、東洋思想に憧れればこそ、梵語などをやりましたが……。