Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
「なんだといって……※(疑問符感嘆符、1-8-77) なんだか、あたいにも訳が分らないんだよ」
と言うと、すすっと寄ってきて舌っ足らずの声で、
「先生……マア起きていたんだね。あたいを、先生は待っていてくれたんじゃないのかね」
と、ケルミッシュが辟易するさまを、ダネックが笑いながら話したのである。あんな白痴を、ただ天母語が読めるだけで連れてくるもんだから、ケルミッシュ君も、えらい目に逢うんだ。だいたい、無思慮、無成算でケルミッシュ君は駄目だ。やはり、これは俺の探検だねと、ダネックが鼻高々に言うのである。しかしそれは、ただ浅いとこしか見えぬ、人間の目にすぎない。翌朝から、すべてが白痴ケティを中心に廻転してゆくようになった。
朝まだき、とつぜん銅鑼や長喇叭の音がとどろいた。みると、耳飾塔や緑光瓔珞をたれたチベット貴婦人、尼僧や高僧をしたがえて活仏が到着した。生き仏さま、おう、蓮芯の賓石よ、南無――と、寺中が総出のさわぎだった。探検隊がそれに相当の寄進をしたので、午後、隊のための祈願をすることになった。読経の合間合間に経輪がまわっている。むせっぽい香煙や装飾の原色。