Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

堆石のながれを越えた向うの断崖の積雪が、みるみる間に廂のように膨れてきた。雪崩※(疑問符感嘆符、1-8-77) と思ったとき氷塊を飛ばし、どっと、雲のような雪煙があがったのである。とたんに視野はいちめんの白幕に包まれた。折竹は、暫時その場で気をうしなっていたのだ。

やがて気がつくと、堆石のうえが雪崩で埋まっている。そして、四つの足跡が向うまで続いているのだ。これが、ケルミッシュの予感というものか。彼とケティは雪崩のうえを渡り、「天母生上の雲湖」の奥ふかくへと消えたのである。折竹も、続こうとしたが起きあがることが出来ぬ。その間に、ごうごうと続く堆石のながれが、しだいに橋となった雪崩を払ってゆくのだ。

「ああ、せめて這いでもできれば、俺は往くんだのに……」

万斛の恨みが、いま分秒ごとに消えてゆく雪橋のうえに注がれている。援蒋ルートをふさぐ……九十九江源地へゆく千載の好機が、いま折竹の企図とともに永遠に消えようとしている。彼は、打撲と凍傷で身動きも出来なくなっていた。

「本望だろう。ケティは、遠い遠いむかしの、血の揺籃のなかへ帰った。ケルミッシュは、現実をのがれて夢想の理想郷へいった。