Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりとかぜとゆめ
光と風と夢
Lesen Sie 光と風と夢 (ひかりとかぜとゆめ) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.032 Zeichen · 158 Bildschirme
おお、満天下の読者諸君! 諸君は知っておられるか? 幾多の小説の中で幾多の愛人達を描いた小説家ロバァト・ルゥイス・スティヴンスン氏は、何と、齢四十にして未だ愛の何ものなるかを解せぬということを。だが、驚くことはない。試みに古来のあらゆる大作家を拉し来って、面と向って此の単純極まる質問を呈して見給え。愛とは何ぞや? と。して、彼等の心情経験の整理箱の中から其の直接の答を求めて見給え。ミルトンもスコットもスウィフトもモリエールもラブレエも、更にはシェイクスピア其の人さえもが、意外にも、驚くべき非常識、乃至、未熟を曝露するに違いないから。)
所で、問題は要するに、作品と、作者の生活との開きだ。作品に比べて、悲しいことに、生活が(人間が)余りに低い。俺は、俺の作品のだしがら? スウプのだしがらの様な。今にして思う。俺は、物語を書くことしか今迄考えたことがなかった。その一つの目的に向って統一された生活を美しいとさえ自ら感じていた。勿論、作品を書くことが、同時に、人間修業にならなかった、とはいうまい。確かに、なった。しかし、それ以上に、人間的完成に資する所の多い途は無かったか? (他の世界――行為の世界は病弱な自分に対して閉されていたから、などというのは、卑怯な遁辞であろう。