Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりとかぜとゆめ
光と風と夢
Lesen Sie 光と風と夢 (ひかりとかぜとゆめ) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.032 Zeichen · 158 Bildschirme
深刻無比の傑作現るとか何とか。併し、俺には書けぬ。俺には残念ながら当時の生活や行為が肯定できないから。肯定できないのは、お前の倫理観が、凡そ芸術家らしくもなく薄っぺらだからだ、という見方もあるのは承知している。人間の複雑性を底まで見極めようとする其の見方も、一応は解らぬことはない。(少くとも他人の場合に、なら。)だが結局、全身的には解らぬ。(俺は、単純闊達を愛する。ハムレットよりドン・キホーテを。ドン・キホーテよりダルタニアンを。)薄っぺらでも何でも、俺の倫理観は(俺の場合、倫理観は審美感と同じだ。)それを肯定できぬ。では、当時何故そんな事をした? 分らぬ。全く分らぬ。昔は、よく、「弁解は神様だけが御存じだ」と嘯いたものだが、今は、裸になり、両手を突き、満身の汗をかいて、「分りませぬ」と申します。
一体、俺はファニイを愛していたのか? 恐ろしい問だ。恐ろしい事だ。之も分らぬ。兎に角分っているのは、私が彼女と結婚して今に到っているということだけだ。(抑々愛とは何だ? 之からして分っているのか? 定義を求めているのではない。自己の経験の中から直ぐに引出せる答を有っているか、というのだ。