Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いりえのほとり

入江のほとり

正宗 白鳥

Lesen Sie 入江のほとり (いりえのほとり) von 正宗 白鳥 (まさむねはくちょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.430 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

「来月の祖母さんの十三回忌までには、お住持さんは戻ってくるのじゃろうか」と母親が口を出した。

「法事よりも村に葬式があったらどうするつもりでしょう。坊主は寺の物を売飛ばして他所へ行ってもよかろうが、そう荒して出られちゃ、後ではこの寺へ来てくれ手がないから檀家が迷惑じゃ」

「耶蘇教で葬式をすると、かえって軽便で神聖でええがな。勝はお経も嫌いだし黒住のお祓いも嫌いじゃ」

才次は宗旨などどうでもいいので、妹が友だちの耶蘇信者が女学校で死んだ時の儀式の様子を話すのを難癖をつけずに聞いていたが、やがて、さっき言おうとしたことに話を戻して、

「家の者も東京なり神戸なり、出て行く以上は、その土地土地に一生落着くことにして、生活がむずかしゅうなって生家へ転がりこまんようにきっぱり極りをつけとかにゃならんと思う。都会住いをした者に田舎を手頼りにせられちゃ、こっちで質素な生活をしとる者は迷惑するし、第一割に合わん話じゃから、兄弟だからまさかな時にゃ世話になりゃええという量見でおられちゃ共倒れじゃ」

「それは利己主義じゃがな……」

「どうせ皆なが利己主義じゃから、初めからそう極めとくに限るんじゃ。