Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
Lesen Sie 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.812 Zeichen · 248 Bildschirme
ずっと昔にわしが前の世にいた時に一人の旅の女を殺した事があったのだ。わしは山の中で脇差をぬいて女に迫った。女は訴えるような声を立てて泣いた。わしが思い出したのはその泣き声だったのだ。その報いが今来たのだなと思った。屠殺者の庖丁は今に下りそうで下らない。その時わしはうなされて目がさめたのだ。
お兼 なんて変な恐ろしい夢でしょうねえ。(身ぶるいする)
左衛門 その前世の悪事の光景を思い出した時の恐ろしさ。気味の悪いほどはっきりしているのだからね。あゝ地獄だという気がしたよ。今でも思い出すと魂の底が寒いような気がする。(青い顔をしている)
お兼 今夜はなんだか変な気がしますね。私も寝床にはいってから少しも眠られないので、いろいろな事が考えられてならなかったのですの。実は私のなくなったおかあさんの事を思い出しましてね。変な事をいうようですけれどもね。私はなんだか宵のあの出家様が私のおかあさんの生まれかわりのような気がするのですよ。
左衛門 なにをばかな。そんな事があるものか。
お兼 おかあさんはあんなに信心深かったでしょう。そして死ぬる前ころ私に「私は今度はどうせ助かるまい。