Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わかれたるつまにおくるてがみ

別れたる妻に送る手紙

近松 秋江

Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「宮とは可愛い名だね、え。……お宮さん。」

「えッ。」

「私はお前が気に入ったよ。」

「そうオ……あなたは何をなさる方?」

「さあ何をする人間のように思われるかね。言い当てゝ御覧。」

そういうと、女は、しお/\した眼で、まじ/\と私の顔を見ながら、

「そう……学生じゃなし、商人じゃなし、会社員じゃなし、……判りませんわ。」

「そう……判らないだろう。まあ何かする人だろう。」

「でも気になるわ。」

「そう気にしなくっても心配ない。これでも悪いことをする人間じゃないから。」

「そうじゃないけれど……本当言って御覧なさい。」

「これでも学者見たようなものだ。」

「学者! ……何学者? ……私、学者は好き。」

本当に学者が好きらしゅう聞くから、

「そうか。お宮さん学者が好きか。此の土地にゃ、お客の好みに叶うように、頭だけ束髪の外見だけのハイカラが多いんだが、お宮さんは、じゃ何処か学校にでも行っていたことでもあるの?」

学生とか、ハイカラ女を好む客などに対しては、その客の気風を察した上で、女学生上りを看板にするのが多い。――それも商売をしていれば無理の無いことだ。――その女も果して女学校に行って居ったか、何うかは遂には分らなかったが所謂学者が好きということは、後になるに従って本当になって来た。