Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
ジョンは夢中に叫びながら烏の後を追っかけた。
「ジョンよ、ジョンよ!」とバタチカンの声が、背後から心配そうに呼ばわったが、ジョン少年は返辞さえしない。
いつしか森も出外れた。
と、突然、海岸へ出た。潮が岸へ寄せている。一つの小さい入江があり、そこに一艘の丸木舟が、波に揺れながら漂っていた。そうして烏は海の上をゆっくりゆっくり翔けて行く。
ジョンは英国の少年である。そうして英国は海国である。ジョン少年は子供ながら、海の知識には富んでいた。丸木舟ぐらい漕ぐことが出来る。
ひらりと丸木舟へ飛び込んだ。
烏を追おうとするのである。
二十一
一本足の烏に誘われ、ジョン少年が走り去ったとも知らず、司祭バタチカンは林の中を声を上げながら探し廻った。
「ジョンよ! ジョンよ! ジョンはいないかな! 林の外には敵がいるぞよ、林の外へ行くではないぞよ。ジョンよ。ジョンよどこにいるな!」
しかしどこからも返辞がない。
バタチカンは次第に不安になった。椰子の根もとに佇みながら心配そうに考え込んだ。林の中は静かである。ここには何んの危険もない。美しい日光と涼しい風と香のよい草花と緑の木々、それらの物があるばかりだ。