Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうはちじのおんがくよく
十八時の音楽浴
海野 十三
Lesen Sie 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.941 Zeichen · 210 Bildschirme
「一件は何日ぐらい動いていましたか」
「あはっ、いずれ発表する、だがね熊本君。腸というやつは感情をあらわすんだね。なにかこう、俺に愛情みたいなものを示すんだ。本当だぜ。まったく愕いた。――時にあれは、なんという囚人の腸なんだ。教えたまえ」
「……」
博士は返答をしなかった。
いつもの吹矢だったら、博士が返答をしなかったりすると、頭ごなしにきめつけるのであるが、その日に限り彼はたいへんいい機嫌らしく、頤をなでてにこにこしている。
「それからね、熊本君。ホルモンに関する文献をまとめて、俺にくれんか。――ホルモンといえば、この病院にいた例の美人の交換手はどうした。二十四にもなって、独身で頑張っていたあの娘のことだよ」
と、吹矢は変にいやらしい笑みをうかべて熊本博士の顔をのぞきこんだ。
「あ、あの娘ですか――」
博士は、さっと顔色をかえた。
「あの娘なら、もう死にましたよ、盲腸炎でね、だ、だいぶ前のことですよ」
「なあんだ、死んだか。死んだのなら、しようがない」
吹矢は、とたんにその娘のことに興味を失ったような声をだした。そしてまた来るといって、すたすたと室を出ていった。