Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうはちじのおんがくよく
十八時の音楽浴
海野 十三
Lesen Sie 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.941 Zeichen · 210 Bildschirme
なにしろ機械腕のことだから、出し放しにしておいても、寒くなしさ。首の運動次第で、こいつがどうでも自由に動くのです。なかなか具合がよろしい。あまり具合がいいものだから、だんだんものぐさくなって、どちらへも失礼していたというわけだが、借金ばかり殖えてね」
借金? という言葉に、余は、大切なことを氏に報告するのを忘れていたことに気がついた。
出願公告決定のこと。それから、この特許権が二百万円に売れそうなこと。いや、もう大丈夫売れる。あの金巻、後頭両氏に、田方氏がいま頭にかぶっている機械腕を見せたら、そのときは、もう否も応もなしに、「買ったッ!」と叫ぶことであろう。
「田方さん。あなたの発明が、公告になりましたよ」
と、私は詳細を早口で喋った。
「そして、あなたの発明を、ぜひ売ってくれという人が来ているのです。二百万円で買おうといっていますが……」
「ええッ、二百万円? 本当ですか、売れるにちがいないとは思っていたが、二百万円とは……」
二百万円に売れたと聞いた瞬間に、発明者田方氏は、それまでの悠々たる落着きぶりを一時に失ってしまった。氏は大昂奮の態で、ベッドの上に跳ね起きると、大歓喜のあまり、首を右左へ強く振った。