Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうはちじのおんがくよく
十八時の音楽浴
海野 十三
Lesen Sie 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.941 Zeichen · 210 Bildschirme
第五氷河期
氷河狂の老博士
「氷河狂」といえば、誰も知らない者はない北見徹太郎博士は、ついに警視庁へ出頭を命ぜられた。
老博士は、銀髪銀髯の中から、血色のいい頬を耀かせ、調室の壊れかかった椅子に傲然と反り身になり、ひとり鼻をくんくん鳴らしていた。
「うむ、実にけしからん。わしをわざわざ呼んでおきながら、いつまで待たせるのか。わしを一分間、むだに過ごさせるということはやがて一千人の人間、いや一万人の人間を凍結させることになるのだ。ばかな話じゃ」
そういって老博士は、またもや、鼻をくんくん鳴らした。
午後の陽ざしが、ただ一つ西側にあいた窓から入ってきて、破れたリノリウムの上に、鉄格子の影をおとしている。冬とはいえ、今年はいやに暖い日がつづく。
扉が、乱暴に開いて、警官が、ぬっと顔をさし入れた。彼は、博士の姿を見ると、後をふりかえって、うなずいた。
博士は、椅子からとび上がり、
「おい、こら。いつまで待たせるのじゃ。総監にそういえ」
と、人もなげな口をきいた。
そのとき、入口から、力士にしてもはずかしくない巨漢が現われた。きちんとした制服に身をかためた植松総監だった。