Japanische Klassiker mit Furigana
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なんぼく
南北
横光 利一
Lesen Sie 南北 (なんぼく) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.591 Zeichen · 40 Bildschirme
帯は後でゆっくり見せて貰うわ。」
「あかんぞ、あかんぞ!」と秋三は叫ぶと、奥庭から柄杓を持って走って来た。
「うちへ置いといてやってもええわして。」とお留は云った。
「あかん。」
「そんなこと云うてたら、仕方あらへんやないか。」
「あかん、あかん。」
「おかしい子やな。あんな死にかけてる者、何処へ行くところがあるぞ、可哀想に。」
「あんな腐った鰯みたいな奴と一緒にいたら、虫が湧くわ。」
「そんな無茶苦茶云うてんと。」
「あかんったらあかん。南のが引き取りゃそれでええんじゃ。」
「お前とこ虫が湧きゃ、わしとこでも虫が湧くわ。」とお霜は云った。
「勘が引受けよったんや。不足があるなら何処へでも抛り出しゃええ。俺とこはもう関係があるもんか。」
「勘が引受けたって、勘はお前、お前が無理に連れて来たで、置いたまでのことやないか。」
「どう云うたかよう勘にきいて来い。」
「勘は知らんと云うとったが。」
「知らん? よしッ、そんなら勘を呼んで来い。殴打しまくってやるぞ。」
「秋よ、もう黙っていやいせ!」とお留は叱った。
「いいや、勘の餓鬼、豪そうな顔して引受けさらしたくせに、そんなほざいたことをぬかしてるなら、こちにも考えがあるわ。