Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
斉興は、大声で云って、久光を、睨みつけた。
「当路の人より」
「誰じゃ」
「申上げられませぬ」
「美濃か」
「申せませぬ」
「貸せ」
突き出した斉興の手は、微かに、顫えていた。そして、一通り目を通すと、久光が
「何故、異国人共の交易強要のあったことを、無い、無事だ、国中一統人気平常だと、偽りになりました。この一点で、上を欺いたるものとして、改易にされても、恨むべき筋はござりますまい。何故、かような小刀細工をしてまで虚位虚名を、お望みになります?」
「虚位虚名?」
「そのことも、上には、御承知でござりまするぞ。国許の平穏を装い、異国との交渉は無事解決と偽り、その功によって、三位に進まんとするお心でござりましょう。今更、三位に進んで、何になりましょう。正四位上宰相、松平大隅守として、何不足がござります。この上に、密貿易露見のこともあり、今度の騒動のこともあり、隠居せよとの謎を、二度も受けておりながら、のめのめと――」
「何が、のめのめじゃ。何んという言葉を使う」
「殿中にても、世上にても、左様に申しております」
久光は、手早く、将曹から、幕府へ報告した文面の写しを、取り上げて