Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「この、禀申書の如き、署名は、ただ、将曹一人、藩老の連署が無くて、何故、この藩国の一大事件を、上へ通達するような、軽々しきことをなされました。これも、悪く推察すれば、余人に洩しては、反対されるおそれがあってのことでござりましょう。何故、あったことを有りのままに、通達なされませぬ。この事実の隠蔽によって、異国係としての兄上の板挟みの苦境が、お判りになりませぬか? 母上のなさるような浅墓な企て、幕府とて、目もあれば、耳もござりますぞ。まして、天下に攘夷、開国論の盛んなる折柄、異国船の来て、交易を強要したという重大事が、洩れずにおりましょうか。琉球が、辺僻の地などと、そんなことを考えて、匿せば、匿せ得るものと、お考えになっているお心が、判りませぬ。もし、兄上に、失政があれば、その時こそ、久光、兄を押除けてでも、御家を継ぎましょう。当今天下第一の人物として、上下より称讃されている兄上を、当主にせぬなどと、父上、ちと、愚にお返りではござりませぬか。お為派崩れに加担した軽輩共を取立てて、上席の者を処分するであろうなどと、余り、兄上の心に、お察しが無さすぎますぞ。