Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんぽうゆうしん

南方郵信

中村 地平

Lesen Sie 南方郵信 (なんぽうゆうしん) von 中村 地平 (なかむらちへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.899 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

行列は先ず村外れの丘の上に在る校門を出発して、土橋をわたる。それから埃っぽい村道を通って、暗い杉林のなかをくぐりぬけ、商家町へとさしかかる。静かな町の空気を震わすように、賑かな楽隊の音が遠くから響いてくると、店々から人々が表へとび出す。そして、行列を迎えて、歓呼の声をあげる。

そういう時、長友先生は、音楽隊の先頭にたって、血色のいい頬を精いっぱいにふくらましながら、クラリオネットを吹いて歩く。先生はそういう時、大抵、紫紺色の渋い詰襟の洋服を着ているが、村の女たちの、先生に対する人気は大したものである。肉屋のおかみさんなどは、一度、思わず金切り声をあげてしまい、問題になったことがある。しかし、金切り声をあげる位はまだいい方で、例のお浜などは、一里でも二里でも、跣足のまま、うれしそうに行列のあとからついて歩く。

牧の旦那はそれに気がついて近頃では

「音楽隊を寄付したのはいいが、あれでは却って子供のためによくないじゃろ」

と、心配しているのである。

三太が子供部屋で積木細工をして遊んでいると、中庭から源吉爺さんの頓狂な声が聞えてきた。

「アコン、アコン、山羊が着きましたどう」