Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんどくこう

単独行

加藤 文太郎

Lesen Sie 単独行 (たんどくこう) von 加藤 文太郎 (かとうぶんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.799 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

谷が狭くなってから左側の小さい尾根に常念道と書いた布が結びつけてある。ここを過ぎすぐ左から入ってくる小さい谷を登る。このときは雪が降りだし霧が巻いて山が見えなくなった。この谷は雪崩が出ていて靴のまま歩いても苦しくなかったからスキーはかつぐ。コルには雪庇といわれるほどのものはなかった。尾根は今降った雪がついているだけだが、森林帯は雪が多く、常念小屋は屋根が出ているきりだ。ここから下りはスキーによいと思っていたがタンネが茂り過ぎているし、雪がパンパンになっているので上の方はスキーをぬいだ。中山峠は初めてで心配したが地図の見当であたっていた。上下ともスキーをかついで雪崩の跡を伝う。思ったより楽だ。二ノ俣は大きな川が流れているので、しばしば高廻りをさせられた。赤沢岳から底雪崩の凄い奴がたくさん押出しているし、暗くなり雪も止まぬので随分弱った。一ノ俣の小屋には法政の人々が泊っていたので大変御馳走になった。ルックザックを干して寝たら、夜中には火の中に落ちてだいぶ焼けてしまった。僕は山では火の恩恵に浴されないらしい。

四月一日 快晴 一ノ俣一〇・〇〇 唐沢谷入口一二・三〇 奥穂高の岩場四・四〇―五・二〇 唐沢岳五・四〇 横尾岩小屋一〇・三〇