Japanische Klassiker mit Furigana
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たんどくこう
単独行
加藤 文太郎
Lesen Sie 単独行 (たんどくこう) von 加藤 文太郎 (かとうぶんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.799 Zeichen · 222 Bildschirme
なんでも大津で暮しておられたが、主人が脚気にかかり、やむを得ずこの故郷に帰っておられるとのことだった。それから山の話や、熊は逃げるのが早く高いところにはいないので岩間温泉附近に一番多くいるとか、長いあいだいいお天気がつづいたから明日は雨かも知れない、もし雨が降れば山は風もつよく危険である等と種々話された。翌日はやっぱり雨だったし気持の悪い風も吹いていた。主人はもし危険だと思ったら引返しなさいと言って、昨日のラッセルでワラジが一つ無くなっているのを見て無い中から作って下さった。雪渓が多いのと風雨が強かったので相当苦心したが、無事白山の絶頂を極め得たことをこの人々に感謝してやまない。ただ小さいお金が無くて壱円なにがししか置けなかったのと、名刺を置いたが名前を聞かなかったことを心残りに思っている。
昔の穂高連峰――殺生小屋で、あるリーダーが昔の穂高連峰は最も恐しい山で、今の北鎌尾根以上であって、その頃他のリーダー等と穂高縦走をやったが、その日は大変荒れて雨が降り風も吹いたため、尾根を取違えて迷い廻ったこと三日間、いかな山男も運を天にまかせてしまったほどだと言っていた。