Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんどくこう

単独行

加藤 文太郎

Lesen Sie 単独行 (たんどくこう) von 加藤 文太郎 (かとうぶんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.799 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

不思議におもってそれをよく注意していると、その道が小学校のあるところまで蜒々と数里もつづいていることがわかりました。子を思う親心はどこでも同じことなのでしょうが、かほどまでに強いものかと私はしみじみ身にしむのを感じました。その晩夜通し歩いてやっと朝がたに甲津原に着きましたが、不運にも天候は崩れて山は濃い霧がかかってしまいました。

甲津原には三つの大きな谷が落合っております。地図によると東側の谷は美濃の貝月山へ登る谷で、金糞ヶ岳へは真ん中の谷を上って、三角点一〇七四の北側を越し向う側の広瀬浅又の谷から登るのが一番よいように思われます。しかし実際はこの谷は西側の谷よりずっと悪く、かつ一〇七四メートルの北側は尾根も谷も地図以上に痩せている上、傾斜も急でスキー・ルートとしてはよくありませんでした。

その日一〇七四メートルには登りましたが、濃霧のため迷って、金糞へは行けませんでした。で、つぎの日曜にはぜひ登ろうと決心し、スキーはそのまま甲津原に置いて帰ってきました。そして日曜のくるのを待っておったのです。ところが土曜日になって、故郷の父が最近急に悪くなったそうだからすぐ見舞いに帰ってみないかといって姉がわざわざやってきた。