Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme
仙太 さあ……。
お蔦 これは? (と、仙太の刀を炉の側から押し出す)
仙太 いらねえ。……(戸の外へ消える)
(短い間)
お蔦 ……へん、ひとの腹の中がわからないといえるもんか。どうしてあの人にこんなところへノコノコついてきたのやら、私あ自分で自分の気が知れない。……(気を換えて)滝坊、こわかったかえ?
滝三 うん。
お蔦 お前も仕合せの悪い子なそうな。母ちゃんは、滝坊の?
滝三 あっちだて。
お蔦 仙さんはお前のお父っあんの仇だと。お父っあん、どうしたえ?
滝三 父ちゃん、あっちだ。
お蔦 なにもわからない。……田んぼの方へ行って見ようか。皆が草を取っているよ。(立上って土間の方へ行きかける。そこへ外――奥――から戻って来る二、三人の足音。段六の声で「さ、しつかりなせえよ、嬢様、家に着いたで、しっかり」と聞こえて、お蔦がびっくりして見ていると、どうしたのか真青な顔をして目をつぶってグッタリしているお妙を段六が肩に負わんばかりにして、それをまた、養われている子の中で年かさな男の子が一人、お妙の右手の杖になって助けながら戸口から入ってくる。三人ともいままで、水田の中で働いていた身なりで手や足は濡れている。