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Japanische Klassiker mit Furigana

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こじょうのまひる

古城の真昼

野村 胡堂

Lesen Sie 古城の真昼 (こじょうのまひる) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.644 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

一時間や二時間で、この謎が解けたら、それは人間業ではない」

主人公の玉置子爵は、すっかり投げてかかって居ります。

「わかる、確かにわかる、人間の工夫して作った謎を、人間の頭で解けないという事は無い……」

自信に充ちた凜然たる声、一様に振り向くと、テアトル築地の俳優生月駿三、今日は気のきいた洋服姿で、一行から稍々遠く、見る影もなく掘り返された石畳の上を、華奢な籐のステッキで叩き乍ら、ホテルの廊下を散歩して居る西洋人のように、大跨で往ったり来たりして居ります。

「解る? それはエライ、さすがは生月君だ」

冷笑に似た語気、これは玉置子爵です。

「解るのが本当です、今までの人は、碑の上の無駄な言葉に囚われ過ぎて、一番肝腎な事を忘れて居たのです。私には大体の見当はつきましたが、最後にたった一つ、ある時が来なければ解けないところがあります。正午まで待って下さい」

「あと一時間と十分」

蜂屋文太郎は時計を出して、アナウンサーのような几帳面な声を出しました。

「そんなにはかからない、十分で宜しい」

「たった?」

「…………」

それには答えず、生月駿三はズカズカと石碑の背後にある俗に底無しの井戸と言われて居る空井戸の側へ行って、その辺に生い繁る雑草を引きむしって居ります。