Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こじょうのまひる

古城の真昼

野村 胡堂

Lesen Sie 古城の真昼 (こじょうのまひる) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.644 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「あと一時間と五分」

蜂屋文太郎は、委細構わず進行係をやって居ります。

「諸君は銘々の案を立てて、一年に一度の機会を掴んで下さい、でないと判官三郎にしてやられますよ」

倶楽部の同勢も、こう時間が切迫しては手の下しようがありません、掘り荒された古城趾、武士共の夢の跡なる夏草の繁りと、木の間を漏るる警官隊の剣光帽影を眺めて、途方に暮れて呆然としているばかりです。

「あと一時間と二分」

時計の針は遠慮もなく進みます。たった十分間で宜しいと言った、生月駿三の為の時間は、あと僅に二分を余すのみです。

「あと……」

蜂屋文太郎勝ち誇った調子で、「あと一時間」即ち生月の要求した十分が切れた事を報告しようとする刹那、

「解った!」

明決な一語。

空井戸を覗いて居た生月駿三は、此方を振り向いて莞爾として居ります。

「何? 解った、ど、どう解ったのだ」

玉置子爵は少しあわて気味に乗り出しました。事件はこの人に取って、非常に重大になって来たのです。

「至って簡単です、お話しましょう」

やおら、生月駿三、ステッキを挙げて、碑と、そしてその後の夏草に埋まる空井戸を指しました。

四

その時、