Japanische Klassiker mit Furigana
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こせんのなぞ
古銭の謎
野村 胡堂
Lesen Sie 古銭の謎 (こせんのなぞ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.885 Zeichen · 26 Bildschirme
五
「そして、これから向う側のお嬢さん父娘を訪ねるとしましょう」
「これ浩一郎」
南老人と左京の後へついて行こうとする倅を、母親は驚いて呼び止めました。
「あんな場所へ行ってはいけません」
「…………」
「あんな悪人の側へ行くと、ろくな事はありません、あなたはお止しなさい」
眼鏡を取って、編物の上にそっと置きましたが、その顔には解き難い忿怒の色が、サッと動きます。
五
それから間もなく、南老人と左京路之助は、建物の右翼に、陽子父娘の室を訪ねて居りました。
「この方は何んじゃ、左京君」
「古銭研究者でもあり、探偵でもある相です、南さんと仰しゃる方です」
「なに探偵、何んの用があってお出じゃ」
「主人の行方不明について、探索して見たいと言われます」
「なんだ、そんな事なら止したがよかろう。名探偵が何人となく、時間も金も惜しまずに研究して解らない事が、そういっては失礼だが、その御人体に解るわけは無い」
「ウーム」
老探偵南愛銭堂老人も、一ペンに吹き飛ばされそうです。
「帰んなさい帰んなさい」
「向う側の方は、何も彼も見せてくれたのに、こっち側のあなたが見せないというのは甚だ面白くないて」