Japanische Klassiker mit Furigana
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こせんのなぞ
古銭の謎
野村 胡堂
Lesen Sie 古銭の謎 (こせんのなぞ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.885 Zeichen · 26 Bildschirme
「サア、それは僕にもわかりません、けれども、どうも、あの探偵は、何も彼も見通して居るようで、命ぜられた通りにしなければならなかったのです」
疑うべくもない浩一郎とその母親です、そう解ると、陽子父娘の表情は、足の下に横わる鉄板のように冷たくなりました。
懐中電灯で双方から照し合って、仇同士が四人、不思議な暗黒世界で落ち合った事がわかると、(あの間抜な探偵にからかわれたのではないか)という考えが四人の胸に同時に閃きました。
けれども、事件は急速に発展して、それ以上に考える暇もありませんでした。間もなく、浩一郎母子の降りて来た道から、葉巻の匂いがプンと先ぶれをして来ました、冷たいカビ臭い地下の密室に、上等の葉巻の匂い、何んというそれは不思議な取合せでしょう?
「煙草はお止しになったら」
南老人の声です。
「イヤこれだけは許して下さい、ここの空気は湿っぽくて臭くてとてもかないません」
左京執事の声です。
「オオ皆様、もうおそろいでしたな、私の言う事を信じて、こんな無気味な所へ、お出下すった事を感謝いたします」
三つの懐中電灯に照されて、山羊髭の南老人は語り出しました。