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Japanische Klassiker mit Furigana

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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme

Aozora Bunko

養子に行くのか。

自分で自分に訊いてみた。

ト、とんでもない。

いやだ。

俺はいやだ。

養子になんか、いやなことだ。

行ったところで心の中のお艶ちゃんの幻につきまとわれて、味気ない日をおくるばかりだ。

よそう。

断ろう。

あまりにも知れきった話じゃないか。

そうシッカリ心を定めたすぐあと、

(でも)

と、どこからか呼び掛けてくる別の「心」があった。

(お前さんが情を立てているほど、お艶ちゃんのほうでも情を立ててくれているのかい)

別の「心」はこういうふうに話し掛けてきた。

(いないじゃないか)

てんで、立ててもなんにもしてくれてはいないじゃないか。

あれほどお前の切なる頼みも、ポンとすげなく裏切って、サッサと行ってしまったじゃないか、三河屋へ。

(それも三河屋の七十親爺へ――)

ああ、そう。そうだった。

その「声」を聴くと頭から冷水を掛けられたように、今松は、ハッとした。

ほんとうにそうだった。

お艶ちゃんの奴は俺を裏切って行ってしまったよ、それも三河屋の七十親爺へ。

そんなものにいつまでも、心を魅かれていることなんかない。あるもんか。

べら棒め、俺、江戸っ子じゃねえか。