Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
その晩のこと
こんなことを言いながら慌てて起き上がった圓太郎は、脱兎のように駆け出していってしまった。
その晩のこと
「お前のような馬鹿馬鹿しい奴をいつまで三下同様に追い使っていたのは私の間違いだった」
その晩、代地の家で圓朝はまだ青い顔をしたまんまの圓太郎を前にしてシミジミ言った。
「お前のような男は一人前の真打になってはじめて人間の馬鹿らしさまでが人からほめられる。こうやって三下でくすぶっているうちはいつまでもいつまでも馬鹿扱いだ」
「…………」
「これは今の日本の国のことにして考えてみても同じだろう。たとえば、国民皆兵――」
言いかけて、ふと圓朝は口をつぐんだ。国民皆兵なんて漢語の意味の、とうてい圓太郎にわかるはずのないことに気がついたからだった。
「つまり国民は皆兵隊さんだというけれど、身体のそれに向かない人はてんでてんでの商売に精を出して、お国へ御奉公をするだろう。お前もそれだよ。前座二つ目のチマチマした修業はやめて、芸一本槍で血の汗を流してゆくよりありますまい」
「…………」
「まったくお前は生まれながらの落語家だ。することなすことひとつひとつがみんな落語になっている。