Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
浪華の蘆も、伊勢で浜荻。
ところ変われば品変わるのは、今松といえども百も承知二百も合点、むしろその辺へ興味をさえ抱いてやってきたのだけれど、さて実地にそれへぶつかってみると、あまりにも東京の人には万事万端の心構えが違いすぎていた。
むしろ一から十まで、納得できないことばかりだった。
まず大阪の前座さんは、へたりといって下駄箱のような見台を前へ置き、拍子木を張扇みたいなものでカタカタカタカタカタカタと止め途なしにそれを引っ叩く。
ときには自分のしゃべっている話の聞こえなくなるほど喧しく叩きたてておいて、
「こうやって叩いてさえいれば、表へさいて通りなはるお客はんは、ハハー、もう落語家がしゃべっていよるなとわかりやはります。ほと、続々とお運びをいただけると、つまりこういうことになっとりますので――」
とこんなふうに能事足れりとすましている。
大道の乞食講釈じゃあるめえし、こうるせえにもほどがあらあ。
これが第一に癪に障った。
背中一面に赤かなにかでとてつもない大きな縫紋をして、クルリと高座で後向きになったとたん、ドーッと受けさせる。
こんな真打のいることも、地味な唐桟や結城や黒紋付や、そうしたこしらえの東京の落語家ばかり見慣れてきた今松の目には、虫唾の走るほどいやだった。