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Japanische Klassiker mit Furigana

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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme

Aozora Bunko

新堀端

一

ワザとそっぽを向いてしゃべりだした。

が、気にかかる。

やっぱりどうしても気にかかる。

お艶ちゃん、どうしたのさ、お艶ちゃん、なにかよほど心配なことでも……。

訊きたくなるのを無理に耐えて大声で、

「……ポンポコピー、ポンポコナーの長久命の長助……寿限無寿限無五劫のすり切れ、海砂利水魚の……」

ああ気になるなあお艶ちゃん。

「水行末、雲来末の風来末、食う寝る所の住む……」

ねえお艶ちゃん。

「ところ、やぶら小路藪柑子、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリン…」

ねえ、ねえ、お艶ちゃん。

「ガンのグーリンダイ、グーリンダイの……」

お艶ちゃん、お艶ちゃんったら。

「ポンポコ……ポンポコナーのお艶ちゃんったら」

思わずこう言ってしまったら、

「バ、馬鹿――」

いよいよ暗くなってきた便所の奥の窓からニューッと師匠の真っ赤な顔が、

「ナナナ、なにがポンポコナーのお艶ちゃんだ。ソ、そんなとんちきな寿限無は、露西亜にもねえや」

新堀端

一

「待ったでしょ今松さん」

お艶だった。

目深にかぶったお高祖頭巾の中の、よく澄んだあだっぽい目が、ニッコリ笑っていた。

「…………」