Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
この嬉しさだけでも、今度こそどんな困難が、障碍が、行く手へ大手をひろげて現れようとへこたれないで進んでいこう。
でも――。
今松は思った。
こんな人間らしいことが言えるようになったのも、みんな名古屋の、師匠のあの仮借ない修業のおかげだ。
今さらながら旅柳桜師匠のところでの、辛い苦しい血の滲む修業のことが、まるで他人の半生のパノラマをでも眺めているかのように、あとからあとから考えられてきた。
名を欲するな。
金を欲するな。
名と金とを欲しがっているうちは、決して名も金もやってきはしない。
まずのっけに師匠はこう言って戒めた。
なるほど、言われて、よく考えてみれば、まったくそれにちがいなかった。
早い話が懐中の苦しいときには、往来を歩いていたってびた銭一文落っこってやしない。
それがしこたま儲かって、金のない国へでも行きたいなどと思っているときには、あとからあとから儲け話ばかりもち込んでくる、濡手で粟のつかみ取りみたいな、とんだいい話さえ舞い込んでくる。
これ即ち、欲しい欲しいとおもう浅ましい一念が、サッパリと己から失せ尽しているせいだろう。
風呂へ浸かったとき自分のほうへ湯を掻き寄せようとする湯は、みな向こうへ逃げていってしまうが、反対に湯なんかいらねえやとばかり、向こうのほうへ押し流してやると、かえって