Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
「阿母さあん、お客様だよ」
声限り怒鳴った。
「うるさいねえ新公」
暗い奥のほうで棘々した声が聞こえたかと思うと、
「今ゆきますよ、今」
やがて厠の板戸を鳴らして額へ太い皺を寄せた器量のよくない血色の悪い四十女が、乳呑児を横抱きにして、手も洗わないで出てきた。
「どちらから」
見据えるように女は言った。
「あのあなた様は――」
びっくりして小助六は腰をかがめた。
「ここの家内です、私」
やっぱり立ったままその女は、
「お訊ねのお英てものです」
なんだ、お英さんの間違いか。
「ああそうですか、お英さん」
そう言ったものの、そのあととっさに接穂がなくなってしまった。
「いえ、あの、じつは」
そうだ。どこか二階借りをしているもののことを訊ねてみよう。
「あのこの辺に二階借りをしている女がござんせんでしょうか、若い三味線を弾く女なんでございますが」
「しらねえね、そんな女は」
にべもなく首を振って、
「聞いてごらんそのとっつきののり屋さんで。あすこはよく二階を貸している」
そのまんま挨拶もしないで引き込んでいくと、バターンと勢いよく音をさせてまた元の厠へと入っていってしまった。