Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
しばらく口惜しがっていたけれど、
「ありがとよ、お八重ちゃん」
ピョコリとひとつお辞儀をした。
「アラいいのよそんなお礼なんか。それよりわかっておくれでほんとによかったわ。でもこれからもあることよ。みんなそりゃ人が悪いンだからよっぽどあんた気をつけなくちゃ……」
「ウン、ウン」
おとなしくうなずくと、
「じゃ、ありがとう。またあしたの晩」
テレくさいのか、プイと立ち上がってそのまま楽屋口から出てゆこうとした。
「ア、ちょっと待って圓太郎さん。明日の朝早く、おッ師匠さんが来てくれって。なんだかお前さんに話があるンですって」
「エ、師匠が。いけねえ。また小言じゃねえかしら」
日常生活にカラだらしのない圓太郎。小言ときたら番毎だった。チョイと心配そうな顔をした。
「サー、なんだか知らないわ。でもたぶん小言じゃないでしょう。もしも小言だったってだいじょうぶよ。そンときはあたし、あやまってあげるわよ」
「ウム。なにぶん頼んだよ」
「引き受けたわ。だから安心して……」
お八重はニッコリ笑ったが、
「ア、そうそう圓太郎さん、お前さん春のお小遣いないンでしょ。ないンだったらおッ師匠さんにおもらいなさいよ。