Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
恋ごろも
「アラ違うわよ、土瓶じゃないのよ圓太郎さん。こっちのこの半折のほうなのよ」
いつの間に戻っていたのだろう、ソソクサ次の間から走ってきたお八重が赤い襷もかいがいしく、圓太郎を突き退けるようにしてビショ濡れの半折へ飛びついてゆくと、濡れた両端をソーッと持ち上げ、縁側まで持っていって、日に当てた。男勝りのクッキリした、横顔が朝日を浴びて、薔薇色にかがやいていた。
「すみません、申し訳ございません」
が、肝腎の圓太郎のほうはまだ土瓶を差し上げたまま、いつまでもいつまでもあやまっていた。
恋ごろも
「なんとも彼ともお詫びの申し上げようがございません。これからほんとに気をつけます。御勘弁願います」
ひと片づけすんだのち圓太郎は、平蜘蛛のようになってあやまった。が、もう圓朝はなにごともなかった前のような顔をして、風雅な火桶に手をかざしていた。
「いいンだよ圓太郎。毎度のことだから、家はもう馴れているけれどもね。よそ様へうかがったときはお気をおつけよ。お前は人一倍そそッかしいンだからネ」
「申し訳ございません」
圓太郎は自分で自分が怨めしくなっていた。穴があったら入りたい。