Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
たまりかねて七分がらみ詰めていたお客たちがドーッと笑い崩れた。よっぽどおかしかったものとみえ、あとからあとから笑ってはまた笑い、また笑ってはまた笑い、笑いのどよめきが静まらなかった。ばかりか、笑いの大波小波は寄せては返し、返しては寄せ、次第次第に土用波ほど高まっていった。
とてももう噺なんか聴きそうにない。
「エーそれはさておきまして、その……いえ坊ちゃん私じゃないてば……いえそれ坊ちゃん……困ったな、あ、こりやどうも」
上げも下げも付かなくなって今度は「波平行安」すらしゃべれないまま、真っ赤になってスゴスゴ楽屋へ下りた。
とたんに、
「オイちょっと顔を貸せ、今松」
……なんたるこッたろう、ここへも三軒目にくるはずの師匠の助六が休んだ芸人の穴埋めにもうきて聴いていたのだった。
「…………」
今松は酒の酔いもなにもいっぺんに醒め果ててしまった。
な、なんて魔日なんだろう、今日は。
それでなくっても昼間ピシャリと俺の横ッ面をハリ倒した師匠だ。
今度は二度目だ。
さしあたり例の銀煙管で真眉間を、真っ二つにでも割られることだろう。
スゴスゴ師匠の後から、楽屋の奥のほうの座敷へついていった。