Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
「ふざけた野郎だ」
それからというもの、目の仇のように、今松の一挙手一投足について厳しく小言を言いはじめた。
なにかと言えば、ピシリ横面をもなぐりつけた。
「けッ、なんでえ師匠が。この頃ンなって急に俺を邪険にし出しやがら」
そうなると今松のほうも、次第に師匠の仕打ちに怨めしさを感じるようになってきた。
なにかというと今松自身、愚痴になる通り、天地の中にたった一人ぼっちの孤児だった。
情に飢え、親身に飢えすぎたその結果は、ずいぶん涙もろくもなっている代わりには、ひとつ情けないと思うことにぶつかると自分でも知らないうちにたちまち意地も張りもなく「心」全体がひがんでひねくれていってしまうことがしかたがなかった。
「なんでえなんでえ、あんな師匠」
いつか今松は、“師匠と親は無理なもの”というこの世の中の幾山河を越えて行くうえに、一番一番大切な金科玉条をも、コロリと忘れてしまっていた。
「そりゃ俺もたしかに悪いかもしれないが、師匠のこの頃のあの寄席の抜き方だってなんだえ。毎晩毎晩、神田の川竹を休んじゃ、赤坂の一つ木の真打席へばかり酒飲みに行っていなさるじゃねえか」